Code of Ethics of the Association for the Study of Industrial Management
Ⅰ.趣旨
工業経営研究学会は、様々な分野の多くの優れた研究者の協力の下で工業経営の学問的研究を振興するプラットフォームを構築するために誕生した。学会設立趣意書に掲げられているように、工業経営の歴史を射程に入れつつ研究の体系化を図り、人類・社会の進歩のための技術革新を工業経営研究の中核領域と位置付けてきた。工業経営の研究とその成果の利用にあたり、何よりも社会への貢献と公益への寄与を願い、本学会は遵守すべき基本的な行動指針として研究、教育、実践および学会運営において、会員及び学会が依拠すべき倫理綱領を定める。
以下の「Ⅱ.行動原則」は、会員のすべての活動の基礎となるべき根本原則であり、次の「Ⅲ.行動規範」は、「行動原則」の精神をより具体的に規定したものであり、これもまた誠実に遵守されるべきものである。
本倫理綱領は時代の変化とともに、より高い倫理性を目指して絶えず検証され、必要に応じて修正されるものとする。
Ⅱ.行動原則
1. 会員は、研究活動、教育活動およびその他の学会活動において、法令を遵守するだけではなく、研究者の良心に従って、誠実に行動しなければならない。
2. 会員は、公正かつ誠実に自己の職務を遂行することにより、社会から信頼と尊敬を得るように努力しなければならない。
3. 会員は、全ての人々の基本的人権を尊重しなければならない。会員は、国籍、民族、思想信条、性別、年齢、出自、ハンディキャップ等を理由として、個人および団体を差別してはならない。
4. 会員は、いかなる場合においても職務上の権限を濫用してはならず、また他者の人格や尊厳を損なってはならない。
Ⅲ.行動規範
1. 研究活動にかかわる行動規範
1-1. 会員は、研究活動を通じて、真理の探究と知の開拓に努めなければならない。
1-2. 会員は、会員に相応しい研究能力ならびに学問上の見識を兼ね備えるよう努めなければならない。
1-3. 会員は、研究活動において、他者の人格を尊重しなければならない。
1-4. 会員は、研究活動における不正行為(ねつ造、改ざん、剽窃等)および研究成果発表における不適切な行為(二重・多重投稿、不適切なオーサーシップ等)を防止しなければならない。
1-5. 会員は、他者から委託された研究費の不正使用ならびに虚偽の申告をしてはならない。
1-6. 会員は、差別語ならびに差別表現を使用してはならない。
1-7. 会員は、研究の過程で知り得た未公開の内部情報を利用して「インサイダー取引」にかかわってはならない。
2.研究成果の公開にかかわる行動規範
2-1. 会員は、研究成果を公開することによって、社会との建設的なコミュニケーションを図らなければならない。
2-2. 会員は、研究成果の公開に際して、科学者として公正中立な立場を保持しなければならない。
2-3. 会員は、有償または無償で受託研究等の活動をする際、本綱領を遵守しなければならない。
2-4. 会員が知り得た内部情報が社会・公共の利益を損なうと判断された場合には、本綱領に基づいて適切に行動しなければならない。
3. 教育にかかわる行動規範
3-1. 会員は、教育に携わる者として、対象となる者の人格を尊重しなければならない。
3-2. 会員は、教育の対象となる者に対して権力の濫用となるパワー・ハラスメントならびにそれに相当する言動を行ってはならない。
3-3. 会員は、教育の対象となる者に対してセクシャル・ハラスメントならびにそれに相当する言動を行ってはならない。
3-4. 会員は、教育の対象となる者の人格を傷つけるモラル・ハラスメントならびにそれに相当する言動を行ってはならない。
Ⅳ.学会の責務
学会は関連法令及び学会の規約等を遵守し、公正かつ誠実な学会運営を行わなければならないし、本綱領を実現するための環境整備に努めなければならない。
Ⅴ.綱領の変更
本綱領は、理事会の議を経て会員総会の過半数をもって変更することができる。
付則(施行期日)
本綱領は2019年8月30日より施行する。